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2025/03/16 11:11 |
県庁でおもてなしされ隊

新聞連載時から、読みたくて読みたくてうずうずしていた、有川さん最新作「県庁おもてなし課」を、ようやく堪能し終わりました。
読み終わったその返す刀でもう一回、最初から読むとか言う、気持ち悪い読みっぷりだったんだぜ(笑

感想としては、なんていうかとにかく本当に。
有川さんは、本当に高知が大好きだなあ。
有川さんは、本当に馬路村も大好きだなあ。
有川さんは、本当に仁淀川が(以下略
そうだ、高知行こう。と言いたくなる仕上がりでした。
むかーし一度行ったきりなんですが、そういえば初めて見た太平洋は、高知からの眺めだったなあ。
作中にちらっと出てきた、市立か県立どっちかの動物園も行った覚えがあります。
なんか、頭から齧られそうなでかさのヘビが居たようなうろ覚え。

それにしても作家吉門氏が、有川さんの分身に見えてなりません。いや、誇張されてるだろうけど。
1ヶ月の価値とその取りこぼしについての会話を読んだときに、なんの疑いも無く
「これ、なんてノンフィクションだよ!」
と爆笑していたのですが、あとがき読んだら、ほんとにほぼ実話だったっていう…。
もちろん多分に誇張はされているのでしょうけど。
こういう美味しいネタを逃さない、有川さんの職業作家的抜け目無さは大好きだ。

主人公の掛水くんと多紀ちゃんに関しては、ちょっともやっとしたりしなかったり。
ふつーの人のいいお兄ちゃんと、ちょっと小回りの利くふつーの可愛いお姉ちゃん的造形なふたりなんですが、なんていうかね。
こんな理想的な普通の兄ちゃん姉ちゃんとか、いないよ(笑)っていう。
多紀ちゃんちょっと良い子すぎるのよー。もっと掛水くんを振り回してもいいくらいなのに。
でも、吉門氏を挟んでやっかみ合ってるとこは可愛かったです。
吉門家の人々の方が、いかにもキャラが立ってる感じで良いフィクション感でありました。
というか、清遠のおいちゃんが格好良過ぎるのよ。
なによその大胆さと抜け目なさと、そして絶妙すぎる立ち位置の距離感。
民宿きよとおには、是非いってみたいです。
そして吉門氏の、強気なへたれっぷりもちょっとツボ。掛水家でぐだまいてるところはちょっと可愛かった(笑

三匹のおっさんも、続編の連載が始まったそうで。
書籍にまとまるのが楽しみでなりません。ああ待ち遠しい。

って、その詳細を確認しに公認サイトに行ったら、図書館戦争文庫版への書き下ろし短編が寄稿されてた!
図書館戦争の文庫化に当たって、DVDの初回特典だったいくつかの短編+この書き下ろしを収録することにしたところ、いろいろ苦情とか諸々が紛糾した結果の措置らしいです。
曰く、DVD初回版を購入し、単行本を持っている人に、書き下ろし1本のためだけに文庫を買わせるのが心苦しいための措置であること、初回DVD持ってるけど、原作は文庫待ちだった人へのケアにはならないこと、特典小説を収録しない文庫を希望していた人には応えられないということ。ネット環境にある人に対してしかケアできないこと。そして、それらに対するお詫びの文章が添えられていました。
正直、やりきれない。
面白い物語を、提供してくれているだけでありがたい人に、こんな形で謝罪させるとか、なんなんだ。
というか、自分の好きな作家、こんなことで磨り減らせてどうすんの。
版権持ってるのは出版社であり、そもそもの権利は著作者にあるわけで、本当なら好きにしていいところを、こんなに気を遣わせてどうすんだよ。
文庫を短編のためだけに買えないなら、図書館にリクエストするでも人に借りるでもすればいいじゃない。
それともなにか。特典小説のレアリティが下がるのが嫌なのか。どんなわがままだ。
嫌なら、買わない、という選択肢が用意されてるのにね。
図書館戦争という作品に、思い入れがあるのか無いのか、どっちなんだと。

特典小説の文庫収録程度で文句言ってる人は、レーベルを変えての新装版が続々出てる作品とか、昔出した同人誌に加筆修正して出版された本とかも、無理なんだろうな。
ちなみに私は、たとえ内容が重複しても、どんな版も手元に置きたいコレクター派なので、そんな葛藤とは無縁です。コレクター派のくせに、レアリティにはあまりこだわらないしな(笑
有川作品はすべてハードカバーで買うことを決意してはいるけれど、持ち歩きやすい文庫落ちは大変に歓迎するところです。たとえ書下ろしがなくとも。
そして、金さえあれば、特典小説があろうとなかろうと、DVD購入に価値はあるし、ね。

あー、なんかもやっとするわ。

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2011/04/11 23:56 | Comments(0) | TrackBack() | 本のハナシ

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