悪霊シリーズ改め、ゴーストハント第1巻「旧校舎怪談」買ってまいりました。
買ったその足で、最寄の喫茶店に駆け込んで読破してきたよ!(どんだけ
というかこの、旧校舎怪談ってタイトルですでになんか燃えるんですが。
生きてて良かった!
いや、大げさかもしれないけどほんとに。
もう、この原作が本屋に並ぶ日はないんじゃないかと、半ば思っていたので。
書店に貼り出された、「悪霊シリーズ、復活」のポスターに、正直泣くかと思いました。
なんというか、小野作品の中でも悪霊と十二国記は、私にとって特別だったんだなあー、としみじみ。
十二国記の再開のときも死ぬかと思うほど興奮してたしね!
それが、こんなに立派な単行本になって帰ってきて、リライトとは言え、また「彼ら」を新しい気持ちで新しい文章で読めるなんて…!
感無量、です。
本当に、お帰りなさい、という気持ちでいっぱいです。
内容に関しても、さすがは御大。想像以上でした。
改行や漢字の調節や、時代に合わない部分の手直しだけに済ますこともできただろうし、主人公が女子高生であるというだけの、緻密なホラーにリメイクしてしまうことも可能だったと思います。
そのどちらかになるんじゃないかなー、なんてのが想像の限界だったわけですが。
御大、素敵に裏切ってくださってます。
確かに文章は軽い。痛々しいきゃぴきゃぴ(死語か?)ぶりはなりを潜めましたが、ノリはライトノベルそのままという感じです。
でも、もともと見え隠れしていた緻密な構成がさらに際立っている上に、旧版では説明不足だったり描写を省かれていた部分(おそらくティーンズ小説には「必要ない」と当時されていた部分)が隙無く補完されていて、それが、残っている良い意味での「少女小説特有の浮つき」と上手く溶け合って、まさに「今の時代に悪霊シリーズが新作として執筆されたらこんなだろうなあ」という出来上がりだと感じました。
なんというか、ただの復刊でもリメイクでもなく、本当にリライトで、このシリーズは生まれ変わったんだなあ、と思います。
エピソードも、細かいところが変わってる…どころか完全な新エピソードまでちょいちょい入ってる上に、すでにあったエピソードも描写の濃やかさが桁違いに上がってるので…これ、もともとの1.5倍、うっかりすると2倍近いボリュームになってはいませんですかい…。
なんて贅沢なリライトなんだ…!
1巻と言えば渋谷さんと愉快な仲間たちが、まだ険悪だったり手探りだったり信用してなかったりほんとジョンだけがオアシスだよって状況なわけですが、追加エピソードのおかげで、そうだよね、まだ仲良くなってないだけでぼーさんはぼーさんだし綾子は綾子なんだよねーなんてにやにやしちゃったりなんかして。
装丁に関して御大が出された希望は「ライトノベルで」だったそうです。
そうだよね、ライトノベルだもの。少女小説だもの。麻衣という「少女」の物語だもの。
大人も読むけど、大人のための読み物になっちゃったら、彼らの魅力は目減りしてしまうんだよな。
一緒に買ってきた小野不由美特集のダ・ヴィンチの、ロングインタビューやいなださんとの対談も読んだのだけど、そちらも素敵でした。
いなださんは言うまでも無く原作にべたぼれの人だし、御大は御大でいなださんの漫画を大絶賛だし、だって今回のリライトはいなださんの漫画のノベライズと言ってもいい、とすら言ってますよ御大!
漫画は漫画で、他に例を見ないあんな特殊な状態で長い長い間かけて丁寧に完結できたわけだし、悪霊のメディアミックスって、ほんとになんて、幸せなメディアミックスなんだろう。
原作を愛している一読者だった漫画家がコミック化して、そのコミックを愛した原作者がそれをもとに完全版をリライトって、しかも21年という時間をかけて。
そんな作品がこの世に生まれたこと、出会えたことに、ほんとに感謝したい。
しばらくは脳内悪霊祭りが終わりそうにありません。
余談。
発行元のメディアファクトリーの住所が、渋谷区渋谷でちょっと噴いた(笑
作者さんからも、アナタからも。
ぼーさんと綾子ねーさんに触れてくれてありがとうw