30歳以下のスタッフは、85%くらいがオタクです。
というか、身近でニコニコ生放送をやってる人、初めて見たよ!(珍獣を見るような目で
そんな環境を活かして、自分で買うにはためらうけど興味はあった最近のラノベを借りてみるキャンペーン中です。
ただいま借りているのは、こちら。
・GOSICK/桜庭一樹/富士見ミステリー文庫
いきなり最近の作品じゃない件。
いやこのひと、調べてみてびっくりしましたが、デビューはずいぶん昔なんですね。
あまり読まないフィールドの人だったせいか、直木賞のときに初めて名前を意識したのでてっきり最近の人かと思ってました。
というか別名義でライターさんやってたゲームが、かの名作でびっくりです。
で、このGOSICKですが、大変に面白かったです。まだ3巻までしか読んでませんが。
第一次世界大戦後の架空のヨーロッパの小国を舞台に、貴族向けの全寮制学校の図書館最上階の植物園にいつも居る、陶器人形のように小さな美少女ヴィクトリカ(だけど声は老人のようなしわがれ声)と、日本からの留学生で生真面目な軍人一家の三男坊の久城一弥少年が、謎の事件に巻き込まれたり首を突っ込んだりしながら謎を解いたり解かなかったり(いや解くけど)するミステリ仕立ての基本ストーリー。
舞台装置が怪談や都市伝説をモチーフにしていたりして、非常にオカルト的な匂い漂っていて、胡散臭くて大変に良いです(褒め言葉
やっぱり、怪しげな舞台装置は、ミステリに欠かせないと思うんです。
その割りに事件の骨組みだとかディティールは、さすがにしっかりしていて、危なげないのがまた素敵。
イラストは萌え絵ですが、萌え萌えしていないのがいいです。
本屋で見かけた、イラスト無しの新装版の表紙がちょっと小粋で、うっかり買いそうになったのは余談です。
ポジション的に安楽椅子探偵っぽい立ち位置(事件現場に居たりはするけど)のヴィクトリカの、テンションの低さもまた良し。
そしてなにより、ヴィクトリカが昼間ずっといる学校図書館の建物が、非常に私好みだったところが、とても高評価(笑
四角い筒型の建物で、内側の壁面は全部本棚。見上げた先の高い天井には宗教画。その間を縫うように細い階段が迷路状に行き交っていて、足がだるーくなるほどのその道のりを踏破した最上階には、秘密の植物園。
なにげにエレベータ完備なところがまたポイントが高いです(笑
自分の家に図書館が欲しい、むしろ図書館の中に寝床があればいい、図書館に住みたい身としては、そんな描写にもニヤニヤして、違う楽しみ方ができます。
難しく人生や社会について考えたくない、気楽なエンターテイメントを読みたい。でもテンション高すぎや荒唐無稽なのはちょっと…という微妙にニッチな欲求を満たしてくれる佳作でございました。
来年アニメ化だそうですが、ちょっと楽しみです。
ヴィクトリカの配役はまだ公開されてないそうですが、さてどうなることやら。
個人的には、是非ともしゃがれ声を忠実に再現して欲しいところです。非常にシュールなことになりそうですが。
その収穫にいい気になって、桜庭さんの一般文芸への転進のきっかけとなったそうな「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」が、何故か我が家にあります。
およそ二食分の食費が…!
これは…問題作として話題になったそうですが、確かにそうだ。
よくもまあ、ラノベレーベルから初出したもんだ。いいぞ出版社、もっとやれ。
GOSICKとは打って変わって、ふたりの「少女」の物語ですが、他の作品の概要を見るに、こちらの方が作者さん本来の毛色なのかしら。
どことなく、山田詠美さんの「蝶々の纏足・風葬の教室」を思い出したのですが、あちらの少女たちは「女」の前段階、というニュアンスが色濃かったのに対して、こちらはただひたすらに「女」でも「子供」でもない「少女」が描写されている気がします。
これを10代で読んだら、なんて思っただろうなあ。楽しめただろうか。
物語ラストの、サバイバーという言葉の使い方が好きです。
文体がかなり独特なので(新井素子さんレベルの独特さだと思うんだ)好き嫌いは分かれるかもしれないけれど、砂糖菓子の弾丸と実弾という対比だとかその発想や言語センスに、しびれる素敵な作家さんでした。
長らくの放置となりました。
なんだかんだで、ずっとPC立ち上げてすらなかった!
その間ずっと、近頃のライトノベル、ひいては少女小説の傾向だとか、シェリルとランカのキャラクター造形についてとか、マクロス映画後編は誰がさよならなんだとか、某ポプラ社大賞ってどうなのとか、いろいろ考えていたわけですが。
近頃気になっているのは、やはり例の都条例ですか。
なんていうかね、大丈夫か日本、と思いますよ。こんなのが可決されるようで、大丈夫なのか?
今回たまたま規制されているのが、いわゆる反社会的と言われるジャンル、しかも性描写なので、よく知らない人には「なんで反対するの?いいことじゃない」と言われてしまいそうなところが、また上手いところ突いてきたよなあ、とか。
でも、これで、法律(条例ですが)によって表現が間接的にとはいえ規制される前例ができてしまったんだなあ、と思うと慄然とします。
そりゃあ確かに、過激な性描写やあまりにもアングラなものが、18歳未満のお子様の目に触れてしまうことは、良い事とは思いませんよ。できれば触れさせたくない親心も判ります。
でもね、例え18禁マークをつけようと、販売規制をつけようと、子供というのは隠されたものを見たがるものです。
隠された、規制されたものを見ることを、英雄的行為と看做す傾向もあります。
これは、昔からのことですよね。
どんなに規制したところで、それをかいくぐることは可能だし、見る子はなんとしても見ますよ。
だから、必要なのは規制ではなく教育だと思うんですよ。
これはいけないものだ、という認識。
大人の世界を盗み見していることを、後ろめたいと感じる気持ち。
そして、反社会的なものを良くないと感じ、自ら遠ざける知恵。
その上で、二次元と現実を混同しないこと。
それらを子供に教えることもできていない現状で、ただ規制することだけに躍起になって、いったいなんになるんだと。
今、それらのものから隔離されて育った子供たちも、いずれは18歳を越えるわけですよ。なんの免疫もないまま。
無意味だなあ、と感じます。
臭いものにふたをしたってしょうがないと思うんだけどなあ。
ものが都条例なだけに、地方都市在住者には微妙に遠い問題なわけですが。
でも国もかつて児ポ法とか色々やらかしてきたわけで、決して他人事ではないです。
というか、ほとんどの出版社が東京にある以上、ある意味全国的な規制とも言えるわけですよ。東京という市場自体もずいぶんと大きいものですし。
こんな片隅の誰も通りすがらないブログとはいえ、なんらかの声は上げていきたいなあとか。今さらだけど。
ミクシィニュースをふらふらしてて垣間見た、人の日記に愕然としましたもの。
東京アニメフェアに不参加を表明して、条例にも反対の姿勢を表明し続けている各出版社をさして
「ばかな出版社」だと。
規制される内容書かなきゃいいのに、ばかじゃん。とか言ってるわけですよ。
その内容がなんであれ、法によって出版物の内容が規制される前例ができたことの恐ろしさを、感じる人が増えればいいと思います。
自分が読まないジャンルだからどうでもいいとか、そういう姿勢が、やがては検閲のある社会を実現させてしまうかもしれない、というのは決して杞憂ではないと思うのですよ。
自分に関係なくなんか、ないんだよ、と。すみっこのすみっこからですが、どうしても訴えておきたくなりました。
そして、反対を表明している出版社の方々には、是非頑張って頂きたい。
そこに屈されてしまうと、草の根からはなにもできなくなってしまうので。是非頑張って頂きたい。
この出版不況の中、なんだかんだで売り上げの多かろう欲望産業分野に規制がされてしまったことによる、各出版社さまの体力の消耗も危ぶまれます。
欲望産業は不況に強い、とは学生時代に通った古本屋のおいちゃんの言葉ではありますが。
本の売れないこの時代、一般文芸を出版する体力は、エロ漫画の売り上げに支えられているかも知れない。
出版社のHPが減る=地味に面白い本の出版確率が下がるわけなので、そこも頑張って頂きたい!非常に!
爆発的に売れなくても、地味にいいものを書いている作者さんたちが、淘汰されるような不況に陥らないことを、切に願います。
というかそんな条例作ることに躍起になる前に、現実の性犯罪の取り締まりだとか3次元違法ポルノの規制だとか、性犯罪被害者の支援だとか、そういうところ頑張れ、行政!
見た目も手触りもものすごい好みで、一目ぼれして、迷いに迷った挙句に一緒にいることを選んだというのに、たった半年とちょっとでお別れになってしまいました。
ものすごく、落ち込みます。
こんなお別れは、一生に一度で十分だと思っていたのに。
…携帯電話の話ですが(笑
上品なワインレッドで、ヘビ皮のような模様がポイントの、スタイルの良いキュートな奴でした。
去る12月1日未明、トイレに落としました。しかも自宅の。
パーカーのポケットに入れっぱなしだったのが良くなかったようですが、そんなとこから落ちるとか、想定外だったよ!
慌てて電池を抜いたものの、翌日乾いても電源が入らずアウト通告。
まだ分割が10回以上残ってるのに…!orz
携帯をトイレに落とすとかさー一生に一度でいいよほんと(すでに学生時代にも落としたことがある
確かそのときも、すごく気に入って決めたメタリックブルーの愛い奴だったんですよね。
それ以外の、値段と相談して決めた携帯は、一度も壊した経験がないのに(笑
保険に入っていなかったため、機種変更となってしまいましたが、新しく来たピンクゴールドのまろやかな人とは長いお付き合いになればいいなあ、と思う次第です。
そんな私を励ますように、本日、某お嬢様からの誕生日プレゼントが我が家に到着しました。
マクロスF劇場版のDVDです。
早速見るよ!見倒すよ!
後編の公開まで3ヶ月をきった今日この頃。広島でも見ることができるらしいので、興奮も高まるってものです。
やっぱりね、マクロスは劇場で見ないと。
こういうときだけは、大画面ハイビジョンテレビがほしくなります。
なんと県内最大規模だそうな。
ずっと行きたかったのですが、微妙に便の悪い立地のせいで、本日やっと足を踏み入れてきましたよ。
デパートの2フロアをほぼ独占して広がる店舗に、エレベータを降りた瞬間からテンションはうなぎ登りです。
結局、総滞在時間はおよそ3時間半。充実した時間でございました。
広い空間にこれでもかというほど本が詰め込まれ、整然と並べられている様は一種の快感だと思います。
一般図書館の、こなれた雑多感も好きですが、ここでは本は売り物であるがゆえに、出入りする人間の数にも関わらず整理整頓されていて、人気の無い書架の間に立っていると、厳粛な気持ちにさえなります。
内容はなんだっていい!書籍でありさえすればいい!(それもどうか
やはり、紙の本が大量にある空間というのは、味わい深いものです。
いっそ隅の通路に寝袋持ち込んで寝泊りしたいぐらいの素敵空間でございました。
駅前の同系列店の方が天井が高くて、空間的には居心地が良いのですが(天井まである書架と、横にガーって動く可動式の梯子(あれの正式名称が判らない)も素晴らしい。外国の図書館みたいだ)天井が低いのもそれはそれで、ぎゅっと濃縮された感じがして良いものです(結局なんだっていいんじゃないか
ここには、まだ自分の知らないナニカがある。それも大量に!
一生のうちに手に出来る知識は限りがあるけれど、手に入れられる可能性のある「知」の集積は、人ひとりの人生に対比すれば無限とも言えます。だって、日々それは生み出されているのだから。
幸せな時代に生まれたなあ、と思います。
・本日のお買い物
和菓子のアン / 坂木司
光文社
以前から気になっていた坂木さんの新刊をようやくゲット!
そうおいそれとはハードカバーを衝動買いできない身の上になってしまったので、ようやく、です本当に。
相変わらずの、プライバシー侵害ぎりぎりの推理(笑)に、可愛いヒロイン。そしてむやみと和菓子が食べたくなる描写。
物語の舞台は、デパ地下の和菓子屋さん。繁忙期の戦場に祭を見い出して、テンション上がってるヒロインが他人とは思えない(笑
ああ、働きたいなあ、という気持ちが込み上げます。現在、労働に集中できない身の上だから余計に、かな。接客って、癖になるのだもの。
しかし、坂木作品を読むと、登場人物のキャラの薄さにほっとします。
いや、描写だけだと十分濃いんですが。
美人店長の中にはおっさんが入っていて、イケメン社員の中には乙女が入っている。
そこだけ取り上げると十分キャラが立っていて濃いのだけど、「キャラクター物」にはならないギリギリの薄さが絶妙だな、と。
そしてヒロインのアンちゃん(本名は杏子(きょうこ)・18歳)の、自分の体型を嘆く一人称語りが、うっかりリアルで笑えません…!
いや、でもいいじゃない。ふよふよ柔らかいのは正義だと思うの。Lサイズ入れば十分だと思うの。みっしりしてると洒落にならないんだぜ…?(何の話だ